2018年9月30日日曜日

「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」11月号


お知らせです。

京阪神エルマガジン社「SAVVY」11月号(9/23/2018発売)カルチャページの映画コーナーの「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」のイラストカットを描かせていただきました。第4回は「チューリップ・フィーバー」主演のアリシア・ヴィキャンデルです。

その姿を観ているだけで驚きを隠せないほどの美しさ。全パーツが神の判断により配置されているかのようです。そしてお顔が小さいの、折れてしまいそうなくらい華奢で、それがまた可憐なの。「リリーのすべて」や「コードネームUNCLE」の時とはまた違う、運命的な美しさに思わずため息が出てしまいそうでした。

彼女が演じたのは孤児院で育ち、生活のため裕福な商人と結婚をしたソフィア。ようやく手に入れた豊かな生活なのだけど、夫が雇った無名の画家とフォーリンラブ!その夫を我らがクリストフ・ヴァルツが、そして画家をデイン・デハーンが演じます。

「レオ様の再来」と言われているデイン・デハーン、ちょっともう本当になんと言っていいのかわからないほどの美青年ぷりを画面いっぱいに充満、アリシアとのツーショットなんてこっちがおかしくなりそうなくらいの…景色!

そして説明だけ聞くとクリストフ・ヴァルツがすっかりしょーもないお金だけもってるおっさんかのようにも感じますが、(そして実際なかなかキモイ)それだけではないとても複雑な感情の動きを見事に表現しており、さらに彼の演技が好きになりました。

そしてタイトルのチューリップなのですが、今では信じられないほどに高価だったチューリップが物語のキーとなります。とんでもない時代、とんでもない展開、とんでもない美男美女、そんな映画。

2018年9月6日木曜日

タリーと私の秘密の時間(Tully)

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余談ですが、元・朝日ホールの新しいスクリーンは本当に雰囲気が素敵ですよね。椅子はやや背もたれが小さいのですが、劇場に入った瞬間にウフフ〜映画みるぞ〜ととても鑑賞欲をかきたてられます。映画が映し出されるスクリーンは、ステージの真ん中よりに配置されているので、席からはやや遠目です。普段から4〜5列目を好むわたしは、ここでのマイベスト席は2列目です。

ジェイソン・ライトマン監督、脚本はディアブロ・コディ、そして主演はシャリーズ・セロン。(今作はプロデューサーも)あの「ヤングアダルト」チーム再結成です!

ああ、シャリーズセロン。今や世界で一番強いオンナとの呼び声も高い彼女ですが今作の役作りのため18キロも増量!40歳で3人目を出産し、育児に追われ疲れきった母親のマーロをすばらしい説得力で演じました。学校から呼び出しをくらい限界を迎えてキレる姿、母乳が染みたジョギング服で倒れこむ様子、ぶるるんとたるんだお尻やお腹!生きた女性が壮絶な日々をなんとか前へ進もうとしている姿をしっかりと感じることができます。

そんな彼女の元へとやってきたのは"ナイトナニー"、夜に赤ちゃんの面倒を見てくれるアルバイトをしているタリーでした。イッパイイッパイのマーロをとても不思議な包容力で助けてくれるタリーを演じたのはマッケンジー・デイビス。最近では「ブレードランナー2049」に娼婦マリエット役で出演していた、スラっとしたカナダ人のカワイコちゃんです。(Wikipediaによると、シャリーズ・セロンは177cm、マッケンジー・デイビスは178cm...)

若さと美しさだけでなく、好奇心や知識、人生に対しての気力…なんとも言えない輝きに満ちたタリーに最初こそはぐぬぬ…と引け目を感じてるようなマーロでしたがタリーの仕事っぷりに心身共に助けられます。ナイトナニーを雇い始めてからの彼女は元気を取り戻しつつも、それでもどこかで、「タリーは、いいわよね。なんでもできるわよね。」という羨望の思いを持ち続けていました。

その思いこそが、この物語においての、大いなる希望だなと私は思いました!

しかしマッケンジー・デイビスの凄まじいキュートさよ!何にもとらわれない自由奔放な振る舞いや、薄いブルーグリーンの目でこちらをじっとみつめてくるしぐさが最近ではあまり見ない、やや久しぶりな可愛い女性像という感じでたまらなかったです。登場時のボルドーのノースリーブでヘソ出しはもちろん、デニムのオーバーオールにちびT(やはりお腹が見える)、白の丸えりTシャツに黒いキャミワンピ重ね着and腰に赤いチェックのシャツ…衣装もすべてとっても可愛かったです。

控えめに言う必要もないくらいに最高に魅力的なタリー。一度観たら忘れられないほどに、素敵でした。

ところで育児に追われて大変だったその時、マーロの夫は何してたかって?ヘッドホンつけてゾンビ倒してました。けれども、マーロがとても愛情深く、彼のことをタリーに話すシーンはすごく好きでした。

2018年8月31日金曜日

「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」10月号


お知らせです。

京阪神エルマガジン社「SAVVY」10月号(8/23/2018発売)カルチャページの映画コーナーの「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」のイラストカットを描かせていただきました。第三回は「500ページの夢の束」主演のダコタ・ファニングです。

ダコタちゃん、もしかしてアイ・アム・サム以来に見たかもしれません。ファニング姉妹はとにかく髪の毛がとっても綺麗ですね。白に近いブロンド、薄いブルーの瞳、キュっと一文字に結んだ口、めちゃキュートでした。

彼女が演じるのは自閉症を抱える少女のウェンディ。事情により、唯一の家族のお姉さんとも離れた施設で暮らしています。アルバイト先はシナボン、接客の工夫も凝らしてがんばっています。そんな彼女はスタートレックの大ファンで脚本コンテストに向けてせっせと大作を書き上げていました。

大好きなものがあって、作りたいという衝動があり、そしてその気持ちそのものに自分自身が大きく支えられていることを描いたロードムービーです。彼女の勇気の源を知ることのできるシーンに思わず拍手!そして同士との出会いと繋がりのあたたかさも感じられました。

2018年7月30日月曜日

ワンダー 君は太陽 (Wonder)


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(監督:スティーブン・チョボスキー キャスト:ジェイコブ・トレンブレイ、ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソンなど)

原作小説の著者であるスティーブン・チョボスキー自ら初監督を務めた「ウォールフラワー」から5年。(心に染みる青春映画…) 今回は世界的ベストセラー"Wonder" の映画化という企画。私はこの原作小説は読んでいないのですが、爽やかなライトブルーに題名のハンドレタリングが書かれた余白の多い子どもの顔、というデザインがとても印象的です。いつ見ても平積みになっていることが多く、人気なんだなあと思っていました。

主人公のオギーは遺伝的な疾患(トリーチャーコリンズ症候群)により産まれてすぐに27回手術を繰り返してきました。彼の顔にはその特徴が見られます。学校へ行かず、ずっと家庭学習を続けていたのですがそんな彼が5年生(アメリカでは小学校最後の学年にあたります)からうまれてはじめての学校へ通うことになる…というあらすじです。

オギーのことはもちろんですが、この映画では大好きなオギーを見守る彼の両親や姉、姉の親友、オギーを迎え入れるクラスメイトたち、そのひとりひとりの心の内をとても丁寧に描きます。視点の変わる瞬間は必然的なのにうっとりするほど軽やかでとてもスマート! そのあまりの手さばきに思わずホゲエエとなるのですが、それが劇中ずっと続くよー!もうほんとう見入ってしまいます。

オギーのカラっとした振る舞いや、皮肉をたっぷりと含んだ発言、(ずっと勉強を教えてくれたお母さんに「もっと良い先生に教わりたいしね」と学校へ行く意欲を表現して笑いを誘ったりする!)とっても聡明な様子に私たち観客はすぐに彼の輝きに気づきます。彼の特徴的な見た目は確かに彼や彼の家族に影響を与えてはいるのですがそれは彼という人間のひとつの要素です。それ以上に彼には憧れがあり、両親から教わった勇気や想像力、そして強さがありました。この映画で語られる物語はオギーの輝きに照らされた世界でのできごとなのでした。

オギー役のジェイコブ・トレンブレイの「ルーム」に引き続く天才っぷりはいわずもがな、彼の両親役のジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィルソンの素晴らしい夫婦像が結婚ってエエナ〜!と心から思わせてくれるほど。特にオーウェン・ウィルソンが、世界で一番素晴らしいオーウェン・ウィルソンになっているのでこのキャスティングだけでも私の拍手が鳴り止みません。オギーのお友達となるジャックのキュートさ、オギーの姉の親友のミランダの呆れるほどの美しさもなんだかもうすごい…

好きなシーンについて挙げて行くとキリがないのですが、私がこの映画を観ていてすごくいいなと思ったのはこの映画がもつ「学校」という場所の存在感です。私はアメリカンスクールに通っていたので、なんとなくあの「新学期初日」の空気が、懐かしかったです。それはとても重苦しく、周りのみんなはスラスラと発言したり自信たっぷりに振舞っているのに自分は不安いっぱいでうまく息ができない感じです。

それでも学校は機会があれば、新しい事に挑戦し、知らなかったことを知り、友達と出会い、人間関係で嫌な思いをし、自分がどんな人間でありたいかを学ぶことのできる場所です。授業で学んでいることがその時オギーのまわりで起きていることにリンクしていたり、オギーの姉のヴィアが演劇クラブに入り、今までやったことのない事で自分を表現することを知っていく様子もすごく素敵でした。オギーもヴィアも、きちんと「学校」という場所を通して叶えたいことを叶えていく、というとても当たり前で難しいことをしている姿がとってもよかったです。

また、美術がとってもカワイイ!オギーとヴィアの部屋とかかわいすぎる。オギーの手術の度におそらくつけていただろうリストバンドが可愛く飾られたりもしていて、とても手が込んでいる。お父さんの使っている#1DADのマグカップ、サイコーだよ〜!!

2018年7月25日水曜日

「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」9月号



お知らせです。

京阪神エルマガジン社「SAVVY」9月号(7/23/2018発売)カルチャページの映画コーナーの「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」のイラストカットを描かせていただきました。第二回は「追想」主演のシアーシャ・ローナンです。

現状、ノリにノってる若手女優といえば彼女を思い出す人も多いのではないでしょうか。今作の舞台は1960年代イギリス、バイオリニストを夢みる超お嬢様のフローレンスを演じています。そんな彼女は歴史学者を目指すエドワードとひょんなことから出会い、恋に落ち、本当に美しく愛を育みます。あらすじとしては結婚することとなった二人に、結婚初夜にとある事件があり…(アラヤダ)…という感じです。

映画の作りがとても面白くて見入ってしまいました。追想という邦題は素晴らしいと思います。結婚式を終えて、ギクシャクしてしまう二人の様子をププ…クスクスと最初は観ちゃうのですが、事態を理解しはじめたころには…そして映画の余韻がもうすっっさまじいです。

神経質そうな表情を浮かべるシアーシャはとても素晴らしかったです。

2018年7月7日土曜日

「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」



お知らせです。

京阪神エルマガジン社「SAVVY」8月号より(6/23/2018発売)カルチャページの映画コーナーの「THIS YEAR’S GIRL 彼女に夢中!!」のイラストカットを 担当させていただくことになりました。とても嬉しいです。 新作映画の女優さんにスポットライトを当てた内容となります。

第一回は「バトルオブザセクシーズ」主演のエマ・ストーンです。
ノーメイクなのかしら?その上に肉体改造も行い、前作のララランドからは別人のような彼女。けれども彼女の持つ今日性のオーラは隠しきれませんね。今作では実在の女子プロテニスプレイヤーのビリー・ジーン・キングを演じます。
そんな彼女が戦いを挑むのが、元全米ジャンピオンのボビー。こちらはスティーブ・カレルが演じているのですが、彼も見る度に同じ人とは思えないですね。やたら声が大きく、地位も名誉もチヤホヤも本当にすべてがまだまだ欲しい彼が失礼極まりない言動を繰り返し大騒ぎする姿はイライラしながらもなんだか…あれっ…憎めない?それはビリー・ジーンもしっかりと把握しており、ボビーについては彼はただのピエロ、本当の敵は…と発言していたシーンが印象的でした。

彼女のラブロマンスも見逃せません、お相手のあの子は相当な小悪魔だったぞー ドキドキしちゃった!

2018年7月6日金曜日

ブリグズビー・ベア(Brigsby Bear)

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( 監督: デイヴ・マッカリー キャスト:カイル・ムーニー、マーク・ハミルなど )

主人公のジェームズは、両親と3人暮らし。外の世界と遮断された小さなシェルターで暮らし、週に一度届く教育ビデオの「ブリグズビーベア」が彼のすべて。夢中になって何度もビデオを見返し、ファンが集まるフォーラムにもせっせと投稿を欠かさない。ブリグズビーで頭いっぱいのジェームズを両親は少し心配しつつも、繰り返される規則正しい平穏な日々。
そんなある日、ジェームズの両親はジェームズを25年前に誘拐し、監禁していたとして逮捕されてしまう。本当の家族とともに新しい生活を始めるジェームズ。今まで知らなかったことを知り、初めてのことをたくさん体験する。お友達とも出会う。そうして、彼がずっと思いを馳せていた、ずっとずっと「やりたい」と思っていたことに向けて動き出します!

あらすじとしてはこのような感じなのですが、この映画は本当にあらすじでは追いつけない軽やかな足取りでびゅんびゅん走り回ります。友情、好きという気持ち、それを他人と共有すること、そして自分でものを作ること、人生においての素晴らしいことがたくさん起きます。それらは、ジェームズ自身がずっと持っていたもので、そして改めて世界に求めたから形になったことだと思います。

ジェームズはあっけらかんと初対面の人にも「僕の両親は僕を誘拐したけど、それでも彼らはクールだと思うなあ」と話します。刑事さんが神妙な面持ちで「彼らは君を触ったの…?」と質問した時にも、ジェームズはうなずきながらも、それに続くのは拍子抜けしてしまうような答えです。事件の概要だけを知った時に私たちが抱くイメージをひょいと飛び越え、とても自由に生きるジェームズの姿にわたしはまた新しいことを教わりました。
ジェームズの本当の両親の気持ちを考えると、起きてしまったことは決して許されることではありません。(だからこそ彼の本当の両親がする勇気ある決断には頭がさがる思いです)ジェームズを誘拐した二人はとても罪深く、守ろうとした生活は歪んだものです。それでも、ジェームズが心底ブリグズビーベアを愛し、夢中になり、それを他人と分かち合いたいと願い、自分でも作ることに踏み出すことを清々しいほどにやってのけるジェームズを見ていると、観ているわたしたちとしてはなにも裁く必要はないんだと感じます。

お父さんにはじめて連れていってもらったキッラキラの映画館、はじめてのパーティーでのドンチャン騒ぎ、はじめての友達との宝物みたいな会話、本当にだいすきなシーンでギューギューに詰まった映画です。ジェームズのとるまっすぐな行動や言葉すべてから彼の魅力が伝わります。初めてできる友達、スペンスの、教科書に載っていてほしいくらいの友達っぷりにも心打たれますがわたしは刑事さんが初めてジェームズに「僕は君の友達だよ」とした自己紹介と、彼に友情の証として差し出したコーラが忘れられません。それにしてもジェームズは、どこにいってもすぐにお友達ができて、すてきでしたね。周りの人々はうっとりするほどみんな優しいのですが、ジェームズが引き出してるようなところもあるんだろうなと感じました。

ジェームズが鼻息荒くブリグズビーベアについての感想を書き残していたように、わたしも必死に大好きな映画の絵を描いています。

2018年6月21日木曜日

レディ・バード (Lady Bird)

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今をときめくまくっている監督のグレタガーウィグと私はほぼ同じ歳。
場所は違えど、同じ時代に生まれ育った彼女の表現するものには、
「同じこと考えてた!」と心が重なる瞬間をとても多く感じてしまいます。
特に根っから鈍臭いけど取り繕わない、という人柄を
演じている時の彼女が私は大好きです!
まるで大切な友人を見ているかのような気持ちになります。

今作は彼女の故郷サクラメントに向けたラブレターかのような
とても可愛らしくて美しい青春フィルム。
映画の中で起きる出来事に実話は無いとのことですが、
精神的なこととしては彼女の中で生きていた思いのように感じました。

高校卒業を間近に控えた主人公のクリスティンは
本当の自分はこんなものじゃない…!と言わんばかりに
自分に「レディ・バード」と名前をつけます。
自分の名前を記入する欄には必ずレディ・バードと書き、
誰かに「クリスティン」と呼ばれた際には必ず
「レディ・バードですけど?」と訂正します。
そして彼女の周りの人々はそれにきちんと付き合ってくれます。

え、めっちゃ優しい。と思いました。

彼女がブツブツ文句を言っている「この世界」というものは
とても優しく、彼女を見守ってくれている場所でした。
そのありったけの優しさの中、「ハイスクール最後の一年」という
あまりに特別な時間がみずみずしく、スクリーンにめいいっぱい広がります。

とはいえ!

ほんと〜に何度も母親(困ったちゃん)と衝突してしまったり
家族みんなで乗り越えなくてはならない事柄も多く、
当の本人はとっても大変そう。
大好きなお友達とのすれ違いや、しょーもない男に
(こいつはどこでも分厚い本を読んでいる)夢中になってしまったり。
でも全ての経験から逃げないレディ・バードはめちゃくちゃ素敵で、
彼女の青春の日々は羨ましくなってしまうほどに輝いていました!

あとレディ・バードの部屋、可愛かったなあ。




私も高校生の時にプロムを経験したのですが、
もうあんまり思い出したくない…としか思えなくて、
結果 今や本当にあまり思い出せないくらいです ハハハ

2018年6月10日日曜日

サファリ(SAFARI)


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元町映画館で開催された「サファリ」の試写会へ行ってきました。

アフリカで合法的に行われている「トロフィーハンティング」の
実像を追ったドキュメンタリーです。
ハンティングに関わる人間たちにスポットを重点的に当てた作りでした。

数年前にハンティングクラブ所属のアメリカ人ハンターが
自身のFacebookに仕留めたライオンの写真をアップしたことによって
世界中から大きな批判を呼び、このような『娯楽』が
存在することを私自身も初めて知りました。

映画のパンフレットにトロフィーハンティングの現状について
詳しく記載されていました。映画と合わせてこちらも目を通すと、
より見えてくることがあります。
ただ読むほどに本当になんとも言えない気持ちになります。

ドキュメンタリー内では、多くのインタビューシーンが含まれていました。
ハンティングを楽しんでいる人々は、どのようなことを語るのだろう?
誰もがきになるところだと思います。
私はその言葉を聞けば聞くほどに「何を言ってるんだ」となってしまいました。
言葉の意味そのものではなく、なぜその言葉を選んで発しているのか、
それが本当によくわからなかったです。
ただ、ときどき、自分たちのやっていることの正しさを主張する言葉の合間に、
ジレンマも感じているような様子も伺えます。

インタビューだけでなく実際のハンティング映像と、
狩られた動物たちの解体作業のシーンもじっくりと見ることができます。
動物を仕留めた後に、喜び、ハグをし、お互いを称え合う姿。
これには大変驚きました。こういうリアクションなのか。
そして時折見せる、ハンティングのマナーらしき動作。
施設で働く現地のアフリカ人の、素早い解体作業。

映画そのものは強いスタイルを感じさせるものだと思いました。
監督の意図的な画作りが見受けられます。
ここには正直好みがあるかなと感じました。
これが人間と支配欲と、終わることの無い搾取の図なのか。
まいったなという気持ちです。

2018年6月4日月曜日

15時17分、パリ行き (The 15:17 to Paris)

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実際に劇場で観たのは3月、
この記事を書いているのは6月のはじめですが…
今のところ、これが私の2018年ベスト!と
鼻息荒く語り散らかすぐらいに大好きな作品です。

クリントイーストウッドが大好きで、彼が監督した作品はすべて
この10年はいそいそと劇場に足を運んで観にいってます。
去年は「ハドソン川の奇跡」、ほんとうに素晴らしかったですね。
これからも烈火のごとくどんどん映画を作ってほしいです…

今回は2015年に起きたタリス銃乱射事件を映画化、
という前情報のみだけで観に行きました。
今回は俳優さんたちみんな初めて観る人だなあ、
なんて思っていたぐらい何も知らなかったので
ラストの「ご本人登場〜!」的なシーンでも
さっきまで映画でずっと観ていた3人が
ニコニコとしていたのでものすごくびっくりしました笑

実際の事件を、本人でキャスティング、という
ものすごくコンセプチュアルにも感じてしまうのですが
たぶんこの映画における要素としては
おそろしくシンプルなことなのだとも思います。

映画の序盤は後に事件を未然に防ぐこととなる
少年3人の出会いと友情についてとても丁寧に描かれます。

少年の母親たちが担任の先生から呼び出されるところから始まります。
呼び出しの内容としては、少年たちに問題があるということ。
投薬などの治療を勧めるということ、さらには
話し合いがエスカレートしてしまった結果なのですが
シングルマザーの子供には問題が起きやすい、
という心無い発言まで出てくる始末。
なんだこの先生…と、
観ているこちらもとても苛立ってしまうシーンでした。

ですが映画を観終わった後にそういえばあの担任は
あんなこと言ってたなあ…と思い返したときに
少年たちの誇り高い人生を感じ、涙が溢れてきてしまいました。

他にも子供に寄り添わない教師が何人も出てきたり、
少年たちの間に別れもありました。
大きくなった少年は自分が何をしたいのかわからず
ただ時間を持て余すような生活をしてしまった時期もありました。
その後偶然が重なり、憧れの気持ちを思い出し
一念発起して夢を叶えるために必死に努力をするのですが
憧れの場所が無残にも遠のいてしまう瞬間が何度もありました。

そんな人生の出来事すべてが物語を紡ぎ、
全てを受け入れながら自分の出来ることを
探し続けた少年たちの心を輝かせました。

これは旅番組なのかな?となってしまうヨーロッパ旅行シーンも、
本当に愛しい気持ちでいっぱいになるので大好きです。

そして事件のシーンですが、
負傷した乗客に対して適切な処置を行いながら
「僕もカリフォルニア出身だよ、いつか一緒にビールを飲もう!」と
声をかけてる様子にも胸がいっぱいになりました。
そして彼のこの怪我に対して正しい処置の知識は、
落ちこぼれながらも何度も実習を重ね、身につけたものでした。

明るく正義感があり礼儀正しく、楽しくてかっこいい。
わたしが大好きなアメリカの人々だなあとしみじみ感じました。

こんな気持ちになれるなんて、本当に幸せ。
私は映画が大好きです!

2018年4月15日日曜日

勝手にふるえてろ ファンブック 絶滅したドードー鳥編




お知らせです。

伊藤聡さんが作られた「勝手にふるえてろ」の同人誌に
表紙やカットイラストを描きました。

この映画をまた観たくてたまらなくなる、
とても素敵な一冊になっています。
参加できたことを嬉しく思います。

同人誌の通販や内容の詳細はこちらから

2018年3月15日木曜日

スリー・ビルボード (Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)

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(監督: マーティンマクドナー キャスト:フランシスマクドーマンドなど)

今月行われたアカデミー賞では、
主演女優賞と助演男優賞を受賞しましたね。

アメリカのミゾーリ州にあるエビングという架空の町が舞台。

映画が始まるとまず、濃い霧の中に立つ、
みっつのビルボードが映ります。
ふる〜い、オムツでしょうか、
赤ちゃん用の何かの商品の広告が貼ってあります
色あせ、ビリビリに剥がれて、もうボロボロです。
けれどそんなビルボードたちが、まるで何かの意思があるかのような
お互いになにかを話し合ってるような、
カメラはそんな不思議な写し方をします。
そして入ってくるタイトル。
んぁ〜ああ〜…映画だなぁ〜…と全身で感じることのできるオープニングです。

そこから始まるミルドレッドの戦いの日々。
怒りに燃えまくっています。
その様子を見ていると心がヒリヒリとします。
(ところどころ彼女のしでかすことは笑えます)
戦う相手は町の警察署、名指しをするのは責任者として署長のウィロビー。
そしてウィロビーの隣には、彼を慕う乱暴者のディクソン。

オープニングにうっとりさせられ、
生きているとしっかり信じられるキャラクターたちの
生き様をあらゆる言葉、視線、行動で見せつけられてるうちに
「この人はこんな人間だし、こういう立ち位置、役割だな」とか
「この出来事が起きてからの〜こういうカタルシス〜」など
自分の中にある映画はこういうものだという
決めつけの枠内で見はじめてしまいます。

ですが、人間や人生とは全くそういうことではない。
うんざりするほどに思い通りにいかず、全く思ってみなかった出来事に、
めちゃくちゃに傷つけられるし、もうダメだと思っていたところ救われる。
そして人は変わる、変わらない、変わる。
そういうことを、ものすごいインパクトで思い知らされる映画でした。

サムロックウェルのディクソンという人間の
表現が本当に素晴らしくて私は途中のシーンで
世界をひっくり返されるような思いをさせられました。

あと、ケイレブランドリージョーンズ…!
フワフワしてそうで、かなり強いハートを持った行動は、
見るもの全員に大きな印象を残す演技だったのではないでしょうか!
口が大きく、色素が薄くてそばかすが美しい、
簡単にいうとグッドルッキングガイですね
これから要チェックですわネ

2018年3月12日月曜日

デヴィッド・リンチ アートライフ (David Lynch : The Art Life)

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元町映画館で開催された
「デヴィッド・リンチ アートライフ」の試写会へ行ってきました。

「インタビューでは心を開かない」ことで有名とのことですが、
カメラの前で語る彼はとてもリラックスしていました。
制作してる姿もたくさんみれます。ちょっとイラチな姿にフフっとなります。
あと娘が天使のようにかわいいのですが、
二人で一緒に粘土遊びなどしているデヴィッドほんとーにあどけない。

自身の人生を振り返りながら話す彼を見ながら、
とても正直に話す人なんだな…と思いました
あまりに純粋な言葉たちに、思わず笑ってしまうほど。
「過去がアイディアをいろどる」という言葉から始まり、
彼の人生と作品の鏡合わせの様子を本当にじっくりと知ることができました。
彼の表現は、すごく信頼できる。という気持ちになります
感心するほどにまじめで丁寧な作りのドキュメンタリーでした。
あとカメラが映し出す絵的な語りもとっても美しい!

学生時代のエピソード、イイハナシばっかりでしたね。
なんせデヴィッド本人のあけすけに話す感じがすっごくいい
「イレイザーヘッド」を撮っていたときのことを話しながら
最後に言葉を失うような流れを、目が醒めるような気持ちで見ていました。

パンフレットに書いてあったのですが、
この映画の資金集めにはキックスターターを利用したとのこと。
出資者たちは映画を楽しみにするデヴィッドのファンなので、
映画の撮影がちゃんと進んでいるかのチェックが
非常に厳しかったという苦労話がめちゃくちゃ面白かったことや
監督のインタビュー、高橋ヨシキさんのすばらしい解説など
とても読み応えのある一冊でしたのでオススメです!

2018年2月2日金曜日

バーフバリ 王の凱旋 (Baahubali 2: The Conclusion)

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神戸国際松竹 で 「バーフバリ 王の凱旋」を観ました。

世間ではテンションが全く普通ではない前評判に溢れかえっていますよね。
それにつられて、1を見逃してはいるのだけど映画館へ駆け込んできました。
そんな私みたいな人のために前作のあらすじから始まる本編。
あらすじの時点で爆発する面白さに早くも圧倒されました

とにかくバーフバリがすごい、本当にすごくて私たちは
本編開始早々に彼にひれ伏しちゃう。
そのすごさを説得するために起きるできごとの数々、
ほんと〜にしびれちゃう、もうたまらん、
見たことない事ばかり起きてお祭り騒ぎが止まりません。
そんな無茶な力技のオンパレードなのですが決して乱暴ではなく、
(どうにかなってしまうくらい面白いのですが)
品良く感じるのはもうこの映画の土台にあるのが
誠実さであるということからなのだと思います。
あとはバーフバリというキャラクターの…品格ゆえですよね!

いろんな制約や決まり事を取っ払って、
のびのびと物語が展開していくのと同時に
お約束でしかない表現も素晴らしいです。
誰かが焦ると「焦った音楽」が大音量で流れ、
みんなが焦るとその「焦った音楽」が人数分大音量で流れます。
面白すぎるのでやめてほしいと思いました
もうわかったから!

おもしろい、めちゃくちゃだ、としか言ってませんが
家族内でこじれてしまう関係性と2世代にわたる
その確執がピークに向かって集約されていく様子など
とてもわかりやすく伝わってきて見応えタップリです

ただ、その正しさを信じられてきたシヴァガミのわりと
私情をはさみまくってる判断については
前はもっと立派だったのかなあ、とか
余計なお世話なこと考えたりしちゃいました。

関西では塚口サンサン劇場にて前作の「バーフバリ 伝説誕生」
も特別上映をするとのことなので、観にいっちゃうぞー

2018年1月24日水曜日

キングスマン:ゴールデンサークル (Kingsman:The Golden Circle)


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OSシネマズ 神戸ハーバーランドキングスマン:ゴールデンサークルを観ました。

(監督:マシューヴォーン キャスト:タロンエガートン、コリンファースなど)

前作のキングスマンは、若者の成長の物語でした。

コリンファース演じるハリーが荒れた生活を送っていた
タロンエガートン演じるエグジーを導いていくその過程で
二人で交わすやりとりやハリーの大事にしてきた思いや美学、
エグジーが変わっていく様子は本当に心を打たれるものがありました。
タロンエガートンはこの映画で初主演!(というかほぼ初出演)
という状況にも観客として勝手に彼の役者としての運命を
感じてしまわざるをえませんでした。
物語の核に付随したとても素敵なファッションにシュっとした美術、
おちゃめなキャラクターたち、はっちゃけた演出、
ちょいグロ感などがイキイキと輝いて見えたのです。

まだまだ続いていけるような余韻をしっかりと残した前作だったので、
続編の知らせには心踊りましたし、ええ、なによりも、
チャニングテイタムさまが…参加なさるというじゃないですか…
トレイラーからその良い男オーラが画面を充満、
英国紳士?知るかよ アメリカングッドルッキングガイがかますぜ!という
出で立ちにわたし大興奮。公開を心待ちにしておりました。
(ところでなんでハリーもばっちり出てるのかな)

結果、見事にガッカリ…というかお預け状態をくらってしまうはめに。トホホ

今作のキングスマンは、そのアクションシーンのさらなるハデさや
わるふざけ感のレベルアップ、VFXのパワーアップ、
いろいろ見応えをちりばめてはいるのはとってもわかるのですが
前作にわたしが感じたキングスマンとしての精神性…
というところに重きを置いてないので
(というかエグジーが随分成長しきっているのでね、
その要素を繰り返せないのはわかりますし立場が逆転して
ハリーを心配する…という様子も加えたりしているのですが
この仕組みにも観客としてどうにも納得しきれない)
気持ちをグっと掴まれることないまま…という印象でした。

チャニングテイタムさまが大暴れする展開さえあれば、
ああチャニングテイタムさまがそのデニムのジャケットを
さっと脱ぎ捨てて軽快に踊り出す展開さえあれば…
(あの踊りはナシですナシ!)

2018年1月11日木曜日

勝手にふるえてろ



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2018年の映画始めはシネリーブル神戸「勝手にふるえてろ」でした!

(監督:大九明子 キャスト:松岡茉優、渡辺大知、北村匠海、石橋杏奈)

わたくしハロヲタですので松岡茉優さんってとてもイイ子…
ということは日々思っていましたが
この映画を観てますます彼女の魅力を思い知りました!

大げさで、臆病で、思い込みが激しいなんてものじゃなくて、
軽快に悪い言葉がするすると口から出てきて、
でもそんな中でも彼女の得意なことはとても輝いていて、
劇中はいつまでも松岡さんの演技を観ていられるきもちになる至福の時間でした。
そんな大変な困ったちゃんの松岡さん演じるヨシカは、
私たちにグンと距離を縮めてきた
2010年代のアメリじゃん〜!なんて思ってしまいました。

そんなヨシカに恋をする青年を演じた渡辺大知さんも
たいへん素晴らしいレベルのいい人なんだけどときめかない感が
とっても可愛らしくて、二人の心の通い合い、
すれ違いのすべてにこっちも一所懸命な気持ちでいっぱいになりました。

ヨシカが「本当にしたかったこと」に突進していく姿、
時に「こんなはずじゃなかった」と傷つく姿、
そして、世界がどんな風に彼女に応えていくかの全てが必見です!